子どもの頃に触れたような、ちょっと怖くて、ちょっと優しい、ファンタジーの世界が特徴の画家、テオドール・キッテルセン。
キッテルセンは、ノルウェーの国民的な人気画家で、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍し、絵のモチーフには、北欧の自然や伝説、また伝承で伝わる妖精のトロールなどをよく描いたことで知られています。
トロールは、巨人から小人まで様々な姿形のものが存在し、変幻自在に変身することもできます。妖精と言っても、その響きから連想するような可愛い雰囲気ではなく、ジブリ作品に出てくるような自然のなかに潜む精霊たちに近いのかもしれません。
こんな風に、トロールにまつわる絵を中心に、伝説の話の挿絵など、目には見えない存在を多く描いたキッテルセン。

吸い込まれるような、この幻想的な白熊と背中に乗った金の花輪を持ったお姫様の絵『白熊王ヴァレモン(1912)』も、ノルウェーの古い民話をもとに描かれている作品です。
あらすじは、ざっくりと、こんなお話になります。
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ある国の王の末娘が、夜、金の花輪の夢を見て、その花輪が欲しくてたまらなくなります。手に入らないことに落ち込んでいたある日、彼女は、森のなかで白熊がその素敵な花輪を持っているのを見つけます。白熊は、姫に、自分と一緒に来ることを条件に花輪を渡すと告げると、彼女は承諾。白熊と共に旅立ち、たどり着いたお城で暮らします。
白熊は、実はトロールの魔女に呪いをかけられたヴァレモン王でした。昼は白熊、夜になると人間の姿に戻ります。そんなことは知らずに、お姫様たちは共に暮らし、二人のあいだには子どもも生まれますが、子どもたちはすぐに白熊によって連れ去られてしまいます。そんなことが続いた3年後、気分の沈んだ彼女は実家に帰ることを望み、白熊はそれを許しますが、母親の助言をきっかけにして、夜に彼が美しい王子である様子を見てしまいます。
これは約束を破る行為で、その結果、白熊はいっそう呪いの力に囚われ、魔女と結婚するために魔女のもとへ連れ去られてしまいます。
それから、彼女は白熊を救うために旅に出ます。最後はふたりで協力して魔女を出し抜き、呪いを解き、子どもたちと共に幸せに暮らします。
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暗い森のなかを歩く白熊と背中に乗ったお姫様の雰囲気が、どこか不思議ながら温もりがあって惹きつけられる一枚です。
アート×オーガニックコットンTシャツ
Suzuriにて、テオドール・キッテルセン『白熊王ヴァレモン』のTシャツを販売しています。素材は綿100%(オーガニックコットン)、色はナチュラルとスミクロの二色。
サイズは、メンズ、レディース、ナチュラルに関しては子ども向けまで幅広く揃っています。
天然素材で肌触りもよく、柔らかな着心地で、日常にアートを取り入れることができます。